相続放棄に関するQ&A

相続放棄に関連してよくご質問される内容と、その回答をお示ししますので、相続放棄の申立ての参考にして戴ければ幸いです。

Q1:被相続人の債権者から相続放棄の手続 きをとっていないのに書面への署名や押印などを求められました。どう対応すべきでしょうか?

A1:債権者の求めには応じないでください。そして速やかに専門家に相談下さい。

Q2:被相続人の死亡後の相続放棄の手続き中に被相続人の債権者から相続人である私宛に連絡がきました。どう対応したらよいでしょうか?

A2:相続放棄をする予定であることだけ伝え、迅速に相続放棄の申立てをしましょう。家庭裁判所から交付を受けた 相続放棄 申述受理証明書のコピーを債権者に送付すれば、連絡は止むと思われます。

Q3:被相続人が支払うべきであった滞納税金を支払うように税務署から通知が届きました。税金ですから支払わなくてはいけませんか?

A3:あなたが相続放棄を申し立てる予定であれば、 相続放棄 が認められることが前提となりますが、あなたが滞納税金を引き継がねばならない理由はありませんから税金も支払う必要がなくなります。

Q4:被相続人が生前通院していた病院から医療費の請求がきました。被相続人の財産又は私個人の財産から支払ってよいでしょうか?

A4:病院としては、患者が死亡している以上、患者に医療費の請求をすることは不可能ですから、被相続人の財産から支払う必要はありませんし、相続放棄 をする以上、被相続人の財産から支払うことは差し控えてください。また、あなたが 相続放棄 をするのであれば、被相続人の支払うべき医療費をあなた自身の財産から支払う必要はありません。

Q5:被相続人(亡くなった方)の現金(預貯金ではなく、お金そのもの)を保管しているがどうすればいいですか?

A5:お金を消費することはやめて下さい。使用してしまうと相続放棄 が出来なくなる可能性があります。

Q6:被相続人の残した遺品はどうすればいいですか?

A6:一般書籍や使い古した家電製品等、価値のないものであれば、処分をしても問題はございません。一方、指輪などの貴金属は財産的価値がありますので処分をすると相続放棄 が出来なくなる可能性がありますので、処分せず、そのまま大切に保管してください。

Q7:被相続人の葬式費用は、被相続人の現金や預貯金などの財産から支出してもいいでしょうか?

A7:原則として、葬式費用は喪主の負担すべき債務と解されています。従って、できれば被相続人の財産からは支出しない方が無断です。やむを得ず、相続財産から支出する場合は、常識の範囲の金額に収まるように御計画ください。

Q8:香典を預かっていますが、どうしたらよいでしょうか?

A8:香典は、一般的に喪主に贈られ、喪主の処分すべき財産として、葬式費用に充当されるべきもので、相続財産ではありませんので、処分しても問題ないと思われます。

Q9:香典返しはどのようにしたらよいでしょうか?

A9:香典は喪主に対する贈与であり、香典返しも喪主個人の問題でありますから、香典返しは、喪主の財産で支払ってください。相続財産の中から香典返しをすることは相続放棄 をする上で問題があると思われます。 

Q10相続放棄 をすると遺族年金はもらえませんか?

A10:遺族年金は相続によって取得する権利ではなく、受給権者が法に定めによって取得する固有の権利ですので、相続放棄が原因で遺族年金がもらえなくなるということはありません。

Q11相続放棄 をすると生命保険金も受け取れないのでしょうか?

A11:保険契約上、生命保険金の「受取人」が特定の人に指定されている場合は、その人の固有財産でありますから、その人が相続放棄しても保険金は受け取る事が出来ます。

Q12:被相続人名義の口座から公共料金の引き落としが続いていますが、どうしたらいいですか

A12:できるだけお早めに支払者を被相続人以外の方に変更し、被相続人の財産の減少をとめてください。

Q13相続放棄 した場合、死亡退職金は貰えなくなりますか?

A13:被相続人が公務員であった場合は、国家公務員退職手当法や条例で死亡退職金の取り扱いを規定しています。基本的に死亡退職金は相続財産ではなく、法令や条例に基づいて、定められた資格者が固有の権利として受け取りますので、相続放棄 しても死亡退職金を受け取ることができると考えます。一般の会社員の場合は、当該会社の退職金規定の内容によりますので、当該規定を拝見しないと何とも申し上げる事が出来ない事情がございます。

Q14相続放棄 を完了した後に被相続人の債権者から私宛に請求が来ました。どのようにすればよいでしょうか?

A14:相続放棄 が認められた以上、あなたが支払う必要はありません。家庭裁判所から交付を受けた相続放棄 申述受理証明書のコピーを債権者に送付すれば、督促は止むと思われます。